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未払残業代問題Q&A

1.営業社員には歩合給を出しているから、残業代は支払わなくていいだろう。

.歩合給を出していたとしても、それが残業代見合いとなっていることにはなりません。賃金規程等に「歩合給が○○時間分の残業手当を含む」等の記載が必要です。

 

2.外回りの社員には事業場外みなし労働時間制にしているので大丈夫だろう。

.単に事業場外みなし労働時間制を定めていても一定の要件を満たさなければ適用を受けません。その要件とは、「労働時間の全部または一部が事業場外で業務に従事した場合で労働時間の算定がし難いこと」です。

適用されないケースとしては、数人のグループで営業に行き、その中に一日の労働時間の管理をする者がいる場合、社員全員が携帯電話等を持たされ指示等を受ける場合、または予め訪問先や行動予定を決められていて、指示通りに業務に従事する場合等です。

 

3.勤務時間記録はとっていない。又は残業したとしても提示にタイムカードを打刻させているので大丈夫だろう。

.勤務時間記録を取っていなかったり、定時にタイムカードを打刻させたとしても、実際の在社時間で判断されます。パソコンのログオン・ログオフや取引先等とのメールの送受信記録、入退室におけるICデータの記録等で判断されます。最近の判例では、本人が手帳に記録した時間でも労働時間が立証されました。

4.年俸制で残業代もふくめているので、大丈夫だろう。

.年俸制でも残業代を支払わなければなりません。年俸制の中に残業代を含めるのなら、所定内の給与部分と残業代の部分を明確に分けて給与明細に記載する必要があります。

5.管理職・店長だから残業代は払わなくていいだろう。

.管理職・店長というだけでは、残業代を支払わなくても良い「管理監督者」には該当しません。役職名ではなく、職務等の実態で判断されます。

「管理監督者」は経営者と一体的な立場のある者で具体的には次の要件を満たす者です。

①採用・解雇・人事考課等の権限を有している。

②労働時間・休憩・休日等に関する裁量権がある。

③賃金等に関して相応しい待遇がなされている等です。

   

6.定時以降残っていたとしても、仕事をしていないので、残業代を支払う必要はないだろう。

.この場合残業代を支払わなければなりません。

労働時間とは、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と解されます。仮に仕事をしていない状態で定時以降残っている場合でも、これを労働時間ではないということはできません。

 

7.社員が修行の一環として自主的に残っているので、残業代を支払う必要はないだろう。

.修行の一環ということは、少なくとも業務に起因しているものと解すると、残業代は支払うべきと考えられます。トヨタ自動車がQCサークル(自主的に行う品質管理の活動)を業務とし残業代を支払ったことは記憶に新しいところです。昨今このような自主的な活動に関しても、残業代を支払う流れになってきているようです。

8.固定で残業手当を付けているので大丈夫だろう。

.固定で残業代をつけていたとしても、その残業手当が何時間分の残業となっているか明確になっていなければ、意味がありません。仮に○○時間分の残業手当と明確に定めた場合でも、その定めた時間を超えた分は支払わなければなりません。

9.役職手当・営業手当を払っているから大丈夫だろう。

.役職手当・営業手当を払っていてもそれが何時間分の残業となっているか明確になっていなければ、残業代を支払ったことにはなりません。就業規則・賃金規程等に「役職手当については○○時間分の残業代を含む」等の取り決めをしなければなりません。

この質問のようなケースで明確な取り決めをしない場合、これらの「役職手当・営業手当」が残業代を計算する際の基礎に参入されるため、残業代の金額が大きくなるリスクがあり危険です。

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